先人の事

恐縮ですが私が珈琲と文化の旗を振るのは

他ならぬ「先人」がいたからです。

 

珈琲美美の森光さん 氏に会ってから私は改めて自分の珈琲が始まったと思っています。

 

福岡滞在中は毎日森光さんを尋ねてはカウンターに招いていただき 何時間もお付き合いしていただいました。

 

珈琲豆の事 焙煎の事 ネルの事 舌に残る感動の事 イスラムの事 アラビア語の文献の事カルディの事 バッハの事 熊谷の事 ライカの事 骨董の事 秦さんの事 坂田さん事。 

どれもこれも珈琲に結びついてしまう氏の話は全て文化そのもの そして一杯の珈琲の為にでした。

 

お知り合いの古美術商の方に電話してくれたり、夕方お店に行くともっと早く来いと言い 前日の話の続きをしだすスゴい人でした。ちゃんと記憶にとどめてその晩に考えてくれていたんだぁと、 

なぜ小さな焙煎機を使うのか問われ 何種類も焼ける事と毎日何回も焙煎出来るからです ハツカネズミみたいですが、、、との答えにうん、うん、とうなずきニコニコ笑う笑顔。自由度の高い仕事をしなさいとの教え 文化学会へのお誘い、上げれば切りの無いほど多くの事を学ばせていただきました。

 

 物を見る目も恐ろしく 私のiPhoneを巧みに扱い 「これって坂田さんから?」 「このカップは磁器じゃないけどいいね」なんて言われドキッとしたものです。 

良いなと言われ 差し上げた成井恒雄さんのカップをお店に飾っていただいた事 

仙厓義梵の絵葉書でいただいたお礼の便り。

 

「君は魯山人みたいだなぁ」 カップや砂糖壷、道具まで色々選んだり作ったり等々、、、

私なんかより森光さんの方が遥かにそのような事をやっている事。

「結局は珈琲の為になんだよぁ」と言葉。 

 

いつか春風萬里荘へ一緒に行きましょうと伝えましたが叶わぬ夢となりました。

もう一度氏のモカを飲みながら膝を合わせ珈琲や文化の話がしたかった、、、

 出会えた事 お相手してくれてありがとうございました。

心よりご冥福をお祈りいたします。

 

その森光さんが生前焼いた豆が届きました。

関東にお住まいで氏の葬儀に行けなかった方がいるかと思いますので私の抽出で良ければ淹れます。

一緒に思い出話が出来れば嬉しく思います。無料です。

※勝手ではございますが 珈琲文化学会員 氏に影響、感動を受けた方に限らせていただきます。

 

そして今後も珈琲と文化の旗を降り続けようと誓うのです。