高橋恭司さんとお話しするときはいつも何かをいただいている気になります。
初めて彼の先品を間近に見たのは渋谷パルコのthe mad broom of lifeのレセプションでした。
前年くらいに数枚のポストカードを見て その「色」に魅せられたのです。
彼の写真が世界で「ニューカラー」と呼ばれていることなど全く知りもぜず、、、無知でした。
後にどうしても生のプリントを見たくて知り合いのつてでなんとか招待状を手に入れ会場で見たのです。
圧倒的な優しさで微笑むブコウスキー 壁に描かれた無垢なハチ 高価とは無縁のガレージセールの小物等
拝見後 彼と交わした握手も会話もなぜ彼が素晴らしい写真を撮ることが出来るのかわかった気がしたのです。 忘れることのない出来事でした。
それから彼の発表する写真を見るたびの意識の更新を促されるのです。
写真誌の表紙で見た赤い電球 、自販機、花壇の花、ゴミ溜まり、デレクジャーマンの庭やアトリエ
見るたびにこれは何なんだ!?と考えされられていたものです。
あれから30年近い年月が経ち
たまにふらりと訪ねて来られて それから作品を置いていくのです。
私は暇な時はカップを片手に展示した彼の写真の前に立つのです。
じっと見てはグビりと珈琲を飲み込み 再びじっと見つめる。
イメージは広がり そのイメージは更なるイメージを生む イメージは今もなお更新され続け、私の凝り固まった自我と意識を自由度の広い方向へ解し続けるのです。
寛大で暖かくその作風と彼の眼差しは「平和」そのもの
珈琲を飲みながら是非とも何かを感じていただければと思います。